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映画監督

フェリーニ 大いなる嘘つき

『天才映画作家の頭の中』
イタリアを代表する映画監督フェデリコ・フェリーニ('20?'93)。死の前年に行われたインタビューを通じ、創作の裏側を解き明かすドキュメンタリーです。
初期のネオリアリスモ的な作品を省き、主に「甘い生活」('59)以降の作品が取り上げられますが、特に監督自身を描いたとされる「81/2」('63)が中心に据えられるのは必然と言えるでしょう。

彼の所縁の地がまるで映画の一シーンのように撮影されていたり、実際のロケ地が新たにカラーで撮影し直され、引用される映画のシーンに再構成されたりしているのが、製作者のフェリーニに対するオマージュを感じさせます。ニーノ・ロータの音楽と、フェリーニ自身の哲学的とも言える独白によって、この作品自体、フェリーニ作品に通じる雰囲気を持った一本の映画のような仕上りです。

時折差し挟まれるメイキング映像とともに、「悪魔の首飾り」('68)のテレンス・スタンプ、「カサノバ」('76)のドナルド・サザーランド、「ボイス・オブ・ザ・ムーン」('90遺作)のロベルト・ベニーニなど豪華な出演者が、撮影時のエピソードを振り返るのも興味深いです。彼らの証言とフェリーニ自身が真剣に語ることとはどうやら食い違いがありますが、映画に活き活きとした生命を吹き込む魔術師たる映画作家は、見ている世界や次元が違うのかもしれません。
故郷リミニについても、地図上にある実際の風景より、自ら「青春群像」('53)や「アマルコルド」('73)に描いたシーンこそ現実に相応しい、というように語っているのが印象的です。フェリーニの中では、彼の記憶の中にあるイメージこそが語られるべき真実なのかもしれませんね。チネチッタ(ローマの撮影所)に広げられたビニール布と光の反射が、本物の海に見えてくるのもそのせいでしょう。
そんなフェリーニの天才ぶりの一端を垣間見ることのできる映画です。

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