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学者

MASTERキートン (17) (ビッグコミックス)

『学者になる日』
表紙に英語で書かれたなによりも適切な解説である、この本を紹介を最初に(あい なおこ意訳)。

「キートンの学術論文が高い評価を受け、日本の大学の講師の口が見つかる。しかし、キートンは大学内のしきたりに失望する。そして悩みもがくキートンに恩師ユーリーの死が伝えられる。
これは、この謎に包まれた男の活躍を描く、第17巻である。」

旧東独の道を車で行くキートンは、ベルリンの壁がまだあったとき、壁を越え、旧西独に脱出して大成功をしたという男を拾う。男は東独に妻子を残した。それを迎えに行くということだった。誰にもそれぞれの人生がある。それが望もうと、望むまいと・・・人生は切ない「壁の忘れ物」。

寄宿学校卒でボクシングの世界チャンピオンになった男。幼なじみのカメラマンが新人の頃のくじけそうになる男を支えた。しかし幼なじみはカメラを捨てた−−。引退戦を表明したチャンピオンはこの幼なじみと息子にリングサイドの招待券を送る。「チャンピオンである自分」を幼なじみのカメラにおさめて貰うために・・・「最後の挑戦」。名曲「チャンピオン」を口ずさむような・・・

連作「ベンタヌ山の誓い」と「山の裁き」。冬山で衰弱し凍死してしまいそうな相棒を助けるため、「お互い生きてかえって憎い者の交換殺人をしよう」ともちかける。衰弱した相棒は生きる力を取り戻し、二人は下山に成功できる。

ところが七ヶ月後、交換殺人しようといった相手が何者かに殺された。ただのその場の口約束だったつもりなのに、自分も交換殺人をしなければいけないのか!?脅迫され、?む男。事件は思わぬ方向に行き手に汗握ります。

そして、「学者になる日」話はこのレビューの冒頭通り。しかしユーリー先生の死がきっかけで、キートンは「夢を継ぐ者」となることを決意する。ただただ頑張れと本に向かって応援するしかない読者というものは、ときにもどかしいものです。

「夢を継ぐ者」になることを決意したキートンはドナウ川流域発掘資金を稼ごうと仕事を掛け持ちで一生懸命!「本日多忙なり」。厳しくしたために家出した息子を待つ父親は、病院に入院していた。命あるうちに息子に会いたい。その気持ちにキートンは応えられるのか?息子を思う父のラストが感動ものです。

最後は「合格祈願」。百合子も高校三年生。受験生らしく予備校にも通ったりします。でも第一希望は「オックスフォード」。しかし、ひょんなことから出会った浪人生と話をするうちに、百合子の進路志望がちょっと変更。70年代フォークが似合う佳作です。

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