『株価を見ていると納得か』
発刊された99年当時にそれなりの物議を醸した本のようであるが、
どちらかと言うと冷ややかな扱いを受けていた著作のようである。
アメリカに喧伝されていたポスト産業資本主義を信奉するスタンスが
主流であったためではなかろうか。
著者のいう製造業の中心とはあくまで「ハイテク産業」であるが、
日本人自身が忘れていた製造業の強みを再び認識させてくれる内容である。
ただ、鉄鋼、造船、繊維産業といった後期産業資本主義を代表する業態の「強み」分析は
普段からに聞き慣れたものとは懸け離れている部分もあるため「?」付きである。
最後にこの著作に対して経済学者ガルブレイスの言葉で、
「日本やドイツにおいて正しいことが、
必ずしもアメリカに合致するとは限らない」とあるが、
まったくその通りだという読後感が残ってしまった。
少数派意見の著作の読後は決まってそうなってしまう。
元製造業ホワイトカラーの私としては
「ポスト工業化社会が国内の雇用形態に及ぼす罪悪」への言及が参考になった。