『「行司の視点」から相撲の魅力を再認識』
約50年間にわたって土俵を勤め続けてきた行司さんによる相撲入門。
相撲のルールや歴史などをわかりやすく解説しており、好角家には多少物足りなさも残るが、初心者にはとても楽しめる一冊だ。
あくまで知的で、慎重に言葉を選びながらも、本音が垣間見える語り口が魅力的だ。
「行司が土俵からはみ出したらかっこ悪い」
「引退間際の力士からは覇気が感じられなかったりもする」
といった文章に触れると、力士よりも行司に注目してみたくもなる。
このように多様な見方ができるというのが相撲の魅力でもあり、本書はそれを伝えてくれる良書である。
今、何かと話題の相撲界。
だが、マスコミが表面だけを見ていかに大騒ぎしようと、著者のような行司や呼び出し、その他大勢の良識ある大勢の人々が歴史を守り、守り立てていこうとしている以上、そうカンタンに潰れるものではないということを再認識した。